翻訳家による翻訳できない言葉の話

日本語と英語の狭間で呻吟し、言葉を超えたものに思いを馳せる翻訳家のエッセイ

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耳で学ぶ

  NHKラジオの英語講座がいいですよと勧めておきながら、こんなことを書くのも気が引けますが、聴くだけで学ぼうとするのは英語学習のハードルを自分で高くするようなものだと思います。

「聴くだけで英語がぺらぺらになる」というような広告をときどき見かけます。でも五感をすべて使って経験することのほうが、聴覚だけを使って経験することよりも印象に残りますし、印象に残ればそれだけ記憶に残りやすくなるものです。

 英語をただ聞き流していたら、ほとんど印象に残りませんから、記憶にも残らないでしょう。聴くときには、「聴きとるぞ」という気持ちを持って、意識的に聴く必要があると思います。

  聴くだけで英語が話せるようになるというのは、かなり大げさな表現だと感じますが、聴覚がずば抜けて発達している人にはあてはまるかもしれません。たとえば、タレントの山口智充さん。抜群に耳がよくて音感に優れ、音真似が得意な人は、ひょっとしたら聴くだけで英語ができるようになるかもしれません。

 ほとんどの人にとっては、聴くだけよりも目も使ったほうがいいですし、体も動かせばもっと記憶に残るはずです。ですからラジオの英語番組を聴くときには、できればテキストを買って文字を目で見たり、手を使ってテキストの文章を自分で書いてみたりすることをお勧めします。そして聴くだけではなく、真似をして自分でも言ってみることです。

  また、文章を暗記することをお勧めします。単語を憶えるのではなくて、文章ごと憶えてしまうのです。1日1文でいいですから、文章をまるごと憶えていけば、1年後には英語力が飛躍的に上がっているでしょう。『クレジットの意味』(5月23日の記事)でも書いたように、文脈ごと単語を憶えれば通じる英語を使えるようになります。

 興味を持てる番組を選ぶことも大切です。わたしは中学1年生の2学期から高校を卒業するまで、NHKラジオの英語番組を聴きつづけました。親が教育熱心だったからではありません。おもしろいと思ったから聴いていたのです。まあ、変わった子どもだったかもしれません。

 中学1年生のときは『基礎英語』という番組を聴きました。そして2年生になったときに『続基礎英語』を聴きはじめたのですが、この番組がつまらなくてわたしには合わなかったので、少しむずかしいかもしれないと思いながらも『英語会話』という番組へ飛び級しました。

 当時は『基礎英語』『続基礎英語』『英語会話』と、この3つしか番組がなかったのです。『英語会話』という番組はとてもわたし好みで、楽しかったので高校を卒業するまで聴きつづけました。この番組の講師を務めておられた東後勝明先生には、いまでも感謝しています。

 いやなことは長続きしませんし、興味が持てないことをしても印象に残りません。聴いたことが右から左へ抜けていくだけで、時間の無駄だと思います。ですから、ちょっとくらい自分のレベルには合わないかもしれないと思っても、興味が持てる番組を選んだほうがいいと思います。さいわい昔と違って、いまはいろんな番組が提供されていますから、選り好みすることをお勧めします。

 聴くと言えば、音楽を通して英語を学ぶ方法もあります。好きなアーティストの曲を聴き、歌詞を調べて、一緒に唄うのです。意味が知りたくなったら、辞書を引きながら翻訳してみるのもいいでしょう。 

  もっとも、詩というのはいろんな意味に解釈できることが多いですし、意味がわかりづらいものです。意味を理解しようとせずに、歌詞をそのまま丸暗記するだけでいいと思います。また、歌詞は詩的な表現が多く、そのままでは日常会話で使えなかったりもします。それでも英文をたくさん暗記すれば、英語的な表現に対する感覚が育ちます。また、英語の歌を唄うことは、英語のリズムやアクセント(強弱)を身につけるのにも役立ちますし、なんといっても好きなことは身につきやすいので、お勧めします。

  インターネットで英語番組を探して、観たり聴いたりするのもいいと思います。たとえばBBCのLearning Englishというサイトは、初級レベルからビジネス英語まで幅広く番組を提供しています。このなかの6 Minutes Englishという番組は講師がかなりゆっくり話していますので、1度聴いてみるのもいいかもしれません。テキストも無料でダウンロードできるようです。
Learning EnglishのURLは以下のとおりです。
http://www.bbc.co.uk/worldservice/learningenglish/

 インターネットはほんとうに役に立ちます。You Tubeで英語のアニメを観たり、歌詞の字幕がついた曲を聴いたりもできますし、ショッピングサイトを見て、商品の英語名を知ることもできます。レシピを調べて料理を作ってみるのもいいでしょう。スカイプでランゲージ・エクスチェンジもできます。無料で英語を学べる道具がネットにはあふれています。

  英語のリズムやアクセントに慣れるという意味では、オーディオ・ブックもお勧めします。ある程度人気がある英語の本は、たいていオーディオ・ブックという朗読版が売られています。オーディオ・ブックという名前ですが、CDです。大好きな本や興味がある分野のオーディオ・ブックを手に入れて、繰り返し聴くといいでしょう。

  この場合は、聴き流すだけでいいと思います。料理をしながら、車を運転しながら、オーディオ・ブックをかけっぱなしにして、英語のリズムとアクセントに耳を慣らすだけのつもりで聴くといいでしょう。下に『ハリー・ポッター』のオーディオ・ブックのアマゾンへのリンクを貼っておきました。



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May

Author:May
翻訳家。フリーランスになって24年。出版翻訳専門。京都府在住。

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